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〈Gallery FACE TO FACE〉西荻窪駅すぐのギャラリーには「面白い!」が詰まっていた!

西荻窪駅の南口を出て、昼でも賑わいを見せる飲み屋街を抜けたところにあるGallery FACE TO FACE。駅から近いが、地下にあるためか喧騒を忘れられる静かな空間だ。一歩足を踏み入れると作家たちの個性豊かなワールドが広がっている。

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面白いと思ったものを見てもらいたい

そこはマンションの一室。
しかし、一歩踏み入れるとあっという間に作家の世界に引き込まれる。

メインである展示室に向かう通路には、部屋に誘うように作品が展示されている。
中から聞こえる「いらっしゃいませ」の声に導かれながら部屋に入ると、あっという間に作品の魅力に引き込まれた。

私が伺ったのは、2023年7月28日〜8月6日まで行われていた北嶋勇祐さんの「きょうせいとしんぼる」と、8月25日〜9月3日まで開催の秋場円貴さんのぼくは毎日「ぬいぐるむ」の2回だ。
どちらの展示も作家が作り出す独特の雰囲気に圧倒される見事な展示だった。

これらの展示を作家と一緒に企画し、作り上げているのはオーナーの山本さん。
「ぼくが面白いと思ったものを見てほしい」と言っていたのが印象に残っている。
なぜなら、その言葉の通り、ほかの画廊ではもしかしたら出会えなかったかもしれない「面白い」に溢れているからだ。

写真は秋場円貴さんのぼくは毎日「ぬいぐるむ」の様子。
室内には約160点のぬいぐるみがところ狭しと並んでいる。
秋場さんは軽い障がいをもった23歳の青年で、小学生の頃からぬいぐるみ制作に没頭しているそうだ。
配色から糸づかいがセンスに満ちており、さらに映像で見られる手際はまるで職人のように迷いがないのだ。
また、すべての作品に名前がつけられていて、尋ねると即答できるほど、一つひとつ心を込めてぬいぐるみ制作に取り組んでいる。

「まるちゃん(秋場さんの愛称)はタフでね、この前キャンプに行ったみたいなんだけど、帰ってきた日もぬいぐるみ作りをしていたそうですよ。」
そんな作家や作品の魅力をさらに引き出すエピソードも山本さんは話してくださった。

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第三者の目線を意識した展示

展示の設営は作家本人が導線などを考えているのかと思いきや、オーナーの山本さんが行っている。
まさに企画画廊。
どう見せることが作家にとって、作品にとってベストなのかを、山本さんは第三者の目線から常に考えているようだった。

以前、来場者も作品作りに関われるようなライブドローイングがやりたいと考え、作家が来場者と話しながらインスピレーションを得て絵を描くライブドローイングを行ったそうだ。
ふらっと立ち寄った画廊で作品作りに参加できるなんてなかなかない。
これぞまさに、山本さんの企画力あってこその企画だ。

今回の秋場さんの個展で驚いたことは、その価格のリーズナブルさだった。
「この展示は買ってもらうことに意味があるな、と思ったんですよ。」と山本さんは仰っていたが、なるほど気軽に購入できる価格のものが大半。
「作品を買う」ということがまだまだ浸透していない日本だからこそ、今回のようにぬいぐるみという比較的身近で手に取りやすい作品は「買ってもらうことに意味がある」のだ。

そして、今回は通常の展示とは違う、作品購入者はその場でお持ち帰りできる方式を取っていた。
通常、展示は展示物がなくならないように、購入が決まっても会期中は持ち帰ることができず、展示終了後に購入者の手元に届く。
しかし今回は、作品の量が非常に多く、バックヤードには展示品と同じくらいの作品が待ち構えているため、その場でお持ち帰りできる展示が実現できた。
どれも一点もののぬいぐるみたちは、購入されたらまた新しい作品が登場する。
毎日、いや、来場者が買うたびに展示の内容が変わるという、非常に動的な展示だった。
買ってもらうことを前提とした動きのある展示は珍しいのではないだろうか。

常に面白さを追求しているGallery FACE TO FACEは、ここでしか出会えない作品の魅力に触れられる場所。
月2回ほど、コンスタントに展示を実施しているので、是非足を運んでみてほしい。


Gallery FACE TO FACE

〒167-0054 東京都杉並区松庵3-35-19 SHOEI BLDG.2 #102

03-6875-9377

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