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〈インタビュー〉日本の漫画絵文化を継承する活動で世界に誇れる日本へ – Studio Anycsの取り組みを取材

アニメや漫画は日本が世界に誇るべきアート文化として知られている。しかし、その一方で文化が継承しにくい労働環境や仕事としての選択肢に上がりにくい現状もある。そんな業界の雰囲気に危機感を抱き、漫画絵やアニメイラストで生計を立てられるよう、イラストレーターを支援する活動を発足したStudio Anycs代表の原信田晃史さんに話を聞いた。

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日本の絵師が絵で生計を立てられるように

−イラストレーターさんを支援する取り組みを展開しているStudio Anycsさんですが、詳しい事業内容をおしえてください。

まず、日本の漫画絵文化を後世にも継承し、日本を聖地巡礼のメッカにしたいと考えています。みなさんもご存知の通り、日本のアニメや漫画は外国で人気です。観光産業とも協力して、外国人観光客を日本に呼び込んで今以上に盛り上げていけたら良いですよね。絵師さんの市場を海外に広げるための第一段階として、YouTubeを使った配信をlofi chill music Japan(@lofichillmusicJapan)というチャンネルを作って実施しています。作りたてのチャンネルなので知名度は低いですが、積極的に配信していこうと思っています。

−なるほど、日本だけでなく海外を視野に入れているということですね。

そうです。YouTubeは世界中どこからでも閲覧できて、世界的な知名度を上げるのに適したツールです。「Lofi Girl」という海外のチャンネルがLo-fi Hip Hop(ローファイヒップホップ)というジャンルの音楽にアニメ風のイラストを合わせて配信していますが、アニメや漫画に強い日本の絵師を集めて配信することで、人気ジャンルの力も借りつつ日本の素晴らしい絵師を世界に発信できるのではないかと考えました。

https://www.youtube.com/watch?v=zt9r86wTYtM
Yakezake🌙 lofi hip hop/chill music/Chill BGM

−静止画をうまく動画に昇華して世界中の人に見つけてもらいやすくするわけですね。絵師さんに対してのアピールポイントはやはり海外に知ってもらえるという点でしょうか?

それもありますが、利益の分配方法にも特色があります。現在、YouTubeなどにイラストを提供すると、納品した時点で買取となることがほとんどです。しかし、私たちの取り組みでは、YouTubeから出た収益を運営、ミュージシャン、イラストレーターと、動画に関わった人に分配していきます。一度報酬をもらっただけで終わりではなく、動画が有名になればなるほど、コンスタントに報酬が発生するようにするので、「絵で生計を立てたい」と夢見るイラストレーターの支えになるのではと思います。

−買い切りではないのは珍しいですね。定期的に収入があると創作活動のモチベーションも上がりそうです。

才能がある人が辞めてしまうことが一番もったいないと感じています。ずっと続けていける社会に変わってほしいですね。

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絵師を日本語の檻から解放し、市場を世界に広げる取り組み

−YouTubeの事業を足がかりに、これからどのように支援を展開したいと考えていますか?

日本の絵師をより魅力的に世界へ向けて発信するために、アニメが好きな通訳者を集めて、絵師と海外の顧客を繋ぐ取り組みを考案しています。NFTなど自分の作品を世界に発表しやすくなった昨今ですが、日本人絵師が市場として海外をさらに視野に入れやすくするには、日本語の檻から解放することが必要です。日本語やオタク文化の微妙なニュアンスまで翻訳できるアニメ好きの通訳者による翻訳で、作品の魅力を海外に伝えていくことを目標としています。

−言葉の壁を取り払うことで、活躍のフィールドを広げていきたいということですね。

はい。フィールドを広げるという点でいうと、これは私の理想の話になるのですが、二次創作物を販売できる仕組みを構築したいと思っています。創作者はもちろん、出版社や原作者にも収益が行く仕組みで、公式の二次創作物を販売できるようにしたいんです。業界全体で漫画を描いて生活したい人を育てる仕組みを作らないといけないのではないかと危機感を抱いています。

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食っていける職業として選択される未来に

−若手が育たないことに危機感を抱いているということでしょうか。

このままでは、世界に認められているアニメ、漫画文化が衰退してしまうのではないかと懸念しています。なぜなら、少子化で若者の数が減少している今、堅実な考えの人が増えており、お金がもらえるかわからない職業をわざわざ選択しないと思うんです。なので、これからは狭き門というのではなく、業界全体でアニメや漫画で食べていきたい人を育て、生活できるちゃんとした職業として認知されるようにしていきたいです。

−好きなことを堂々と職業として選べるようになってほしいですよね。

そのためには、ちゃんと稼げる仕組みを作っていかないといけないと思っています。後発を育てて食べさせる文化を作る、とでも言いますか、出版社もアニメ会社もひっくるめて、みんなで育てよう!って空気を作っていきたいです。

絵師を広める活動を随時考案予定

−ゆくゆくは観光産業も巻き込んで日本を盛り上げるために、世界に市場を広げる取り組みに尽力しているStudio Anycsさんから、絵師さんたちにメッセージをお願いします。

絵師さんに寄り添った企画をこれからもどんどん考案していく予定です。YouTubeチャンネルへの参加も随時受け付けています。一緒に日本を聖地巡礼のメッカにしましょう!


Studio Anycs

代表:原信田晃史

お問い合わせ:studioanycs@gmail.com

YouTube:lofi chill music Japan

YouTubeチャンネルへの参加を希望する場合は、件名に「YouTubeチャンネル参加についての問い合わせ」と明記し、気軽にお問合せください。

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